エンジニアになると人生が変わるのか?

業界未経験から、ITエンジニアにジョブチェンジする人がここ数年、非常に増えていると感じます。そのような人々において、「人生を変えるためにエンジニアになりたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか?

果たしてエンジニアになることで人生は変わるのでしょうか?

エンジニアはあくまで1つの職種にすぎません。メーカーの営業マンとエンジニアは何が違うのでしょうか?事務職とエンジニアでは何が違うのでしょうか?

今回、エンジニア歴10年以上の私が、エンジニアになると人生において何が変わるのか、ということを5つの軸を基準に考察してみました。 ちなみに私はエンジニア以外の職種にはついたことがありませんので、あくまで考察になります。


1. 金銭面

業務経験がゼロの未経験エンジニアの場合、何歳であろうと、就職直後の給与は日本の平均的な大卒新入社員とそこまで変わらないはずです。(ごく稀に、特殊なキャリア・世界トップレベルの学歴・運によってそうでない人もいる。) しかし、就職後に努力を重ね、転職を何度か繰り返したり、フリーランスへ転身することで、数年後に年収1000万円以上を稼ぐことも可能ではあります。

エンジニアになりたてだと、他の職種とそこまで大きな差はないものの、その後の努力と行動次第では大きな経済力をつけることも可能という意味では人生が変わるかもしれません。

しかし、エンジニアの世界は「PCいじってるの大好き!」「プログラミングが趣味で土日もずっとコード書いてるw」「中学校からずっと触ってるよ」みたいな人々がゴロゴロいます。エンジニアの世界で他の人より優れた給与を手に入れるには、そのような人たちと競い合っていくことになります。

もしもエンジニアになる前の時点で、「独学が大変」「今後もずっと業務以外の時間にコードを書いていくなんてことはできない」と思うのであれば、人生を変えるほどの金銭的変化は起きないと思います。

しかし、繰り返しになりますが、エンジニアであり続けている間、技術の向上をし続けて経済的に裕福になるような行動を起こすことができれば、金銭面という軸では人生は変わるかもしれません。


2. 職業の専門性

エンジニアは職業の専門性が高く、1つの会社で身につけた技術を、他の会社に転職しても使うことができます。これは日本の一般的な会社員とはやや異なる性質で、キャリアの形成において非常に有利な特徴になります。

例えば、家族の介護・育休・産休・自身の怪我などによって、会社を退職したり長期離脱した場合、その後の復帰が非常に楽です。さすがに10年の離脱だと、使う技術が変わってくるのでキャッチアップの努力が必要になりますが、バックエンドエンジニアで2, 3年の離脱であれば、そこまで苦労せずに復職が可能だと思います。

また、転職市場、フリーランスの市場も活発なため、持っているスキルが高度であれば、すぐに転職・フリーランスへの転身が可能です。

また、リモートでの作業が可能な場合が多く、時間や場所が自由に選択できる場合が多いです。

つまり、エンジニアは職業の専門性が高いことから、復職・転職・フリーランス転身がしやすく、作業内容から、時間・場所の自由度が高い働き方をすることができるため、働き続けることにおける心理的な不安感がかなり低いと感じます。

現在、専門性の低い職に従事していて将来に不安のある人が、エンジニアにジョブチェンジすることで、手に職をつけて、働くことへの心理的な安定を得られるようになるという意味では、人生がかわると言えるかもしれません。


3. 時間

2.にも記載したとおり、エンジニアは時間や場所の自由度が高い職場が多いです。フレックス + コアタイムが設定されていることが多いです。また、裁量性の雇用もあり、アウトプットさえ出せれば労働時間はカウントしていない会社もあります。

リモートワークが可能な場合も多く、通勤時間をゼロにすることで時間の余裕が生まれやすいです。

しかし、上記でも記載したとおり、人生が変わるほどのエンジニアになるには、業務時間以外も技術向上に努める必要があるため、「時間の余裕が生まれる」という感覚とはちょっと違うかもしれません。PCいじってる時間も趣味だと感じられるのであれば、エンジニアになることで時間の余裕が生まれると感じられるでしょう。

そのため、時間という軸で見た場合は、人生が変わるとは言い切れないと思います。


4. やりがい

エンジニアにジョブチェンジすることでやりがいを感じられるかどうかは、「どのようなサービスを開発するエンジニアになるか」ということと、「どういった部分にやりがいを感じられるか」ということによって、結論が異なってきます。

まず、自分が開発しているサービス自体に大きな価値を感じられる場合、やりがいを感じることができると言えます。例えば、自分が好きな業界のサービス・スマホアプリなどを開発していたり、世の中に貢献していると思えるプロダクトの開発をしている場合、自分の作業自体にやりがいを感じることができるでしょう。

そうではない場合でも、やりがいを感じることはできます。例えば、「ぐちゃぐちゃだったコードを綺麗に書き直せた」ことや、「レスポンスタイムを大きく短くすることができた」ことなどにやりがいを感じるエンジニアも多いです。

これは、作っているサービス内容とは関係なく、システムを作ったり直したりする作業そのものに対して、内発的な楽しみや幸せを感じるエンジニアが、やりがいを感じているパターンです。

逆に、自身が作っているサービスやプロダクトに全く興味がなく、システムを作るという「ものづくり」そのものに興味がない人は、やりがいを感じることは難しいかもしれません。

しかし、エンジニアが作るシステムの多くは、人々が困っていることを解決するもの・作業の効率化のために作られるもので、きっとどこかで、誰かの役にたっているはずです。そのため、自分の仕事にやりがいを感じているエンジニアは多いと感じます。



5. 人間関係・コニュニティ

エンジニアのコミュニティは非常に活発です。だいたいの言語や技術、領域に対するコミュニティが形成されており、日本でのカンファレンスや勉強会、Meet UpなどがconnpassTECH PLAYで頻繁に行われています。それはコロナ禍であっても、オンライン上で活発に行われています。

これは他の職種とはかなり異なる文化だと思います。他の職種において、自分たちの会社でどのようなプロジェクトがあり、どのような技術をもって課題を解決してきたかなどを、同業者に説明するような公の場はどれほどあるのでしょうか?もちろんエンジニア業界でも社外秘はありますが、技術的なことに関してはオープンである文化が根強いです。

エンジニアが日頃、お世話になっているソフトウェアの多くがOSS (ソースコードを商用・非商用問わず、利用・修正・頒布できるソフトウェア)であり、OSSに貢献することはエンジニアにとって誇りでもあります。そのような土壌があるからか、オープンに情報発信したり、お互いの悩みを解決しあうなど、エンジニアのコミュニテイに貢献していくことを大切にしている人が多いです。

このような勉強会で出会ったエンジニア仲間と仲良くなったり、仕事の話をもらえたりと、人間関係の幅が広がる上に、仕事でもプラスになるケースもあります。

人生で良いチャンスを生み出す出会いがあるかもしれないという意味では、ひょっとしたら人生が変わるもしれません。そして、そのようなチャンスが会社の外にもたくさんあるという面で、エンジニアは人生を変える人との出会いが多い職種と言えるのかもしれません。


まとめ

様々な面で人生が変わる可能性はあると思いました。しかし、ただ「エンジニアになっただけ」では人生は変わりません。どんなエンジニアになるのか、どのくらいの技術を保有するのか、どのような価値観を持つのか、それによって「エンジニアになって人生が変わった」と言えるのかどうかが変わってくると思いました。